JAZZジャズ名盤店

エレクトリックマイルス時代の凄まじいライブが聴けるアルバムです
70年発表のワシントンＤＣでのライブとブラジルの鬼才エルメトパスコートを迎えたスタジオナンバーからなる２枚組のアルバムです。

スタジオナンバーも無国籍的でアブストラクトな他のアルバムでは聴けないサウンドで一聴の価値はありますが、やはり白眉はDISK１の①④、DISK２の②③からなるライブナンバーでしょう。エレクトリックマイルス時代の最強布陣ともいうべきメンツからなり、正確かつ強力なジャックディジョネットのdr、ファンキーなマイケルヘンダーソンのbとアイアートモレイラのperをバックに、gのマクラフリン、keyのキースジャレット、そしてマイルスが吹きまくる凄まじい演奏を展開しています。
エレクトリックマイルスファンには是非お奨めしたいアルバムです。
ジャレット／ディジョネット時代の音源をもっと出してくれい！
このアルバム4曲ほどどうでもいいのが入っており、そいつらはできればBIG FUN方面に待避して欲しいのだが、そんなマイナス要因もカバーしてあまりある、史上最強のライブ4パートが魅力の全てです！これだけでもう充分、ああ腰を抜かしそう。それにしてもSIVADもWHAT I SAYもFunky Tonk／Inamorataもスタジオ／ライブ問わず、このアルバムでしか聴かれません。それなのにスゴイ、圧倒的。この前の（必要以上にたくさん出ている）フィルモアとかのビッチェズブリューの発展形みたいのや、後のオンザコーナーなんかのモロファンクとは全く隔絶された、ここだけの激しい、爆裂サウンド。このサウンドどうしてここにしか入っていないのかとても残念。それでもこのアルバムがあるおかげでキースジャレットとジャックディジョネットがもつれ合いおまけにジョンマクラフリンまで！暴れまくるサウンドが30数年後のいま、CDで聴くことができる、コレはしあわせですよ。マイルスももちろん絶好調で、恐ろしいくらいに吹き狂っています。だけど、もっと聴きたい、なんか出してぇー！

オレゴンの最高傑作
１９７４年録音のライヴ盤です。オレゴンは、結成からヴァンガード時代前半にかけて、４人のメンバーだけで多彩な楽器を用い、様々な演奏を試しました。その内容は現代音楽や民族音楽を交えた自由な編曲に、ジャズの即興演奏を被せるという手法で、室内楽の魅力もあります。このアルバムは、この時期のオレゴンを集大成したといえる内容です。

このグループは多彩な楽器を駆使しますが、ライヴでは多重録音なしの一発勝負なので、４人のメンバーが楽器を持ち替えることによって、緊張感のある美しい音が響きます。またオレゴンは、元来ライヴに強いグループなので、本作とエレクトラ時代の「イン・パフォーマンス（２枚組）」という、ライヴ盤が最高傑作といえます。
静かに揺れるロウソクの炎
１９７５年４月、ニューヨークのVanguardのスタジオで招待客を前にしてOREGONはライブを行った。生ギターやシタールなどのアコースティック楽器の音量バランス、全メンバーが多数の楽器を持ち替えることを考えるとライブ録音は困難であったに違いないが、オーディエンスを前にしての緊張感がより良い音楽を生む結果になった。

メンバー紹介に続いて、張り詰めた糸のようなラルフ・タウナーの１２弦ギターの音から始まるこのアルバムは、この時期のOREGONの音楽の極点である。瞑想的なオーボエのメロディーラインにタブラのリズムが加わり、更にベースのボウイング音が絡んでいく・・・・

全６曲中にはフリーなアプローチを行った曲もあるが、とりわけ際立った印象を受けるのはタウナーの作品「Silence Of A Candle」である。この曲は、シタールの神秘的なアドリブから始まり、厳粛かつ甘美なメロディーを持つテーマ、そしてベースソロ、ギターソロと移る。タイトルどおり、ふるえながら静かに揺らめくロウソクの炎を想起するような、OREGONだけが到達しえた美の極致である。