JAZZジャズ名盤店

「フュージョン」という言葉が出来る前の、「クロスオーバー」と呼ばれていた時代の、新しい音楽が生み出されるエネルギーが溢れていた時代の記録です。当時のロックのリズムにジャズ・イディオムを乗せた混合ジャンルの音楽は、完全に融和されていないため、微妙な摩擦が生み出す熱気が、気持ちの良い緊張感を伴った演奏を生み出していました。
電気ギターという楽器は、音楽ジャンルに関しては無国籍に近く、クロスオーバー・ムーブメントの中心的存在になりました。その数あるギター奏者の中で、演奏技術と音楽性の幅広さと柔軟性で、渡辺香津美は当時から群を抜いた存在でした。香津美が年に２枚のペースで発表するアルバムが、当時高校生だった私にとっては最先端の音楽でした。

私が高校に入学してギターを触り始めた１９７７年は、「オリーブス・ステップ」、大学でウッドベースに持ち替えた１９８１年は、「トチカ」が、各々発表されています。その間の香津美のアルバムは、リアルタイムでレコードが擦り切れるほど聴いていました。この期間は、熱気のある「クロスオーバー」の模索時期に当たっています。そしてその後、音楽様式として完成してしまった「フュージョン」には、全く魅力を感じなくなってしまいました。

この後、渡辺香津美の音楽は、表現力を含めた演奏技術が向上し、「誰と共演するか」による演奏内容の発展が、現在も進行中です。しかし、音楽の構造や編成などの骨組みについては、この時期に大極的なアイデアを出し尽くしたようです。
この金額にしてこの枚数！このセレクション！　そしてこの質！　
高校時代に『TO CHI KA』がリリースされ、FMエアチェックをしたりして録音できた曲をヘビーに聴き倒していました。
その後も色んなジャンルに手を染めていましたが、必ず片足突っ込んでたのがフュージョンです。
いつもは厳選してCDを買う自分も迷わずにクリックしました。

30代以上の方は何も考えずに買うべきです。
聴いてみると、時代が流れていつの間にかフュージョンと違うものをフュージョンと勘違いして聴いていた気になります。

アレンビックのギター,ミッチェルのアンプ等々次々に思い出されます。
ブギーの音やレスポールの音も聴こえますね。

私の押しは『TO CHI KA』と『KYLYN LIVE』です。
『TO CHI KA』の『コクモ・アイランド』の跳ね具合や『ブラック・キャナル』のダークさ加減などもたまりません。
『KYLYN LIVE』の聴き応え...これもたまらんです。
ギターは言うに及びませんが、ポンタのタイコのあきれる程のキレ。

こんなCD出してくれやがって...ありがとう　って感じです。

最高！　です。
リマスターの偉業・コロンビア偉い!
2004年2月11日発売。渡辺香津美のベターデイズ時代のアルバムをリマスターして、未CD化の『Village in Bubbles』を加えた9枚組で発売したコロンビアは実に偉い。ファンの気持ちが良く分かった企画で『偉業』と讚えたい。（●＾o＾●）

他のレビュアーの方々と同じく、LPから数えて何枚目というアルバムばかりなのだが、リマスターされた音に本当に感激した。特に感激したのは『KYLYN』、『KYLYN LIVE』、『TO CHI KA』の3枚で、もう単発出てているリマスター前のアルバムはもはやまったく聴く気にならないくらいに生き返って鮮明そのものである。『技術はこう使うもの』のお手本のような仕事ぶりとなっている。

ただし、ここにはMichael, Prince, Madonna, Wham!, Bowieといった
有名ドコロは入ってません。
(ジャーニーもシカゴも。。。）
そして、Tears For Fearsは"Everybody want to..."でなく"Shout"で、
Thompson Twinsは"Hold Me Now"でなく"Lies"なのです。
つまり、(多分）あくまで第2次 British Invention中心の選曲なのです。