JAZZジャズ名盤店

マクラフリンがインド思想に傾倒して近寄りがたく求道的になっていたのに対して、コリエルは時にロック、時にブルースの要素を取り入れて、どちらかと言えば親しみやすい音作りになっています。とは言ってもこれは2人間の比較の問題で、ジョージ・ベンソン的なコマーシャリズムを期待する人にはお勧めできません。あくまで無骨で、ゴリゴリした感触の硬質なプレイで全編が占められています。特に3曲目の「Call to higher Conscioyness」でのギターソロは圧巻！とにかく熱過ぎるくらいの熱演が延々と繰り広げられています。

いま改めて聴いてみると、流石に時代の流れを感じてしまう部分もありますが、60年代を終えて、70年代に向けて新たな音楽を作り出そうとしたコリエルの熱いプレイにぜひ耳を傾けてください。
JAZZ ROCK
今から３０年以上のアルバム。ギター＝ラリーコリエル、ドラムがロイヘインズ、テナーサックスがスティーブマーカス、鍵盤にマイクマンデル、ベースにメルビンブロンソンで録音されています。エンジニアにエディークレイマー（ヘビーメタル系＝アンスラックス、キッス、ホワイトスネイク、ジミヘンなどで有名な耳の確かな人）を起用してエレクトリックレディースタジオで録音してます。なのでなぜか『ジミヘンのオーラ』が漂っています＝ジミヘンのスピリッツを取り込もうとしたのは明白＝。簡単に言ってしまうと『ジャム』なのですが。サウンドの構成はリズムを固定しておいてギター、サックスで自由にソロをとりまくるという手法をとっています。ごつごつしたざらついたギターワークをラリーはロックなパワーでドライブしまくっています。ときには『アバンギャルドに』＝このへんはソニーシャーロックにやや似ている＝自由奔放にイメージを描きます。特筆すべきはやはりそうしたラリーの燃えるようなソロプレーなのですが、テナーのマーカスそしてやはりロイヘインズの巧みなドラムでしょうか。このアルバムはフュージョンの初期段階であり、ジャズ側の音楽家が『ジミヘン』のエネルギッシュな側面を採用しようとしていた事実が確認できます。

カリオカは初期はアップテンポのサンバがメインでしたが、このアルバムあたりから佐藤正美のギターが前面に出てきて、非常にアコースティックでナチュラルなサウンドになっています。心落ち着けて聴き込むには四季を問わず、良いアルバムです。今だとヒーリング系に分類されてしまうかもしれません。
おすすめです。
夏向きでよろしい。
夏向きでよろしい。ここちよい音楽です。BGMにぴったりです。おすすめします。
待ちに待ったＣＤ化
CARIOCAは以前から好んで聴いていました。
眠れない夜などには最適の睡眠剤・・・
いや、なんとなく聴き入ってしまってかえって眠れなかったこともあったでしょうか？
なんて書くとロマンチストな感じに思われるかもしれませんが、バックに流していても心地よい程度。ちょうどいい感じの音楽。これって意外と見つからないものです。

しかし、フィル・スペクターのヒット曲が手軽に聴けるCDがこのボックスセットだけというのは寂しいです。「スペクターに興味はあるけどボックスセットに手を出すほどじゃないなあ」という人も結構いると思うんですよ。そういう人の為に1枚に圧縮した入門編も出したらいいのにと思うのは私だけでしょうか。
POP Musicの原典
　大滝詠一のナイアガラサウンドの元ネタここにあり、と言うのは、大瀧氏本人が語っている有名な話です。大瀧氏独自のアレンジ技の幾つかは、「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれるこのCDに収録されているヒット曲を解析した結果産み出されたものなのです。
　Phil Spectorは、1950年代末から60年代半ばにかけてヒット曲を連発した、伝説的な天才プロデューサーです。彼のトレードマークとなった「ウォール・オブ・サウンド」は、多重録音が余り一般的でなかった当時、楽曲のアレンジ段階で常識では考えられないような様々な工夫を凝らすことで実現されていました。中でも驚くのが、Bassを二本同時に鳴らし、それを五度でハモらせる技です。これによって、低音域をふっくらさせ、華やかなパーカッション、派手目のドラミングと合わせて、分厚い音と、独特の熱いグルーブ感を作り上げることに成功しています。
　このCDは、Phil Spectorが手がけたほぼ全てのヒット曲を、彼と彼の当時の相棒エンジニアの二人で、わざわざモノラルでリマスターしたアンソロジー盤です。内容は、ベストヒットCD三枚と、傑作クリスマスアルバムとして今でも売れ続けている1963年の「A Christmas Gift For You From Phil Spector」の計4枚組＋大判解説本という構成になっています。