JAZZジャズ名盤店

本作品はジャズ界におけるアランフェス協奏曲としては、１・２を争う名作でしょう。
オーケストラは入っていません。カルテットかクインテットによる演奏です。
アルバム全体がブルージーに構成されており、
最終曲のアランフェス協奏曲へ導いてくれます。

協奏曲にこだわったロドリーゴと、コンボにこだわったジム・ホール。
一見相反するかに思われますが、一聴すればその疑念は晴れるでしょう。

guitar : Jim Hall　　piano : Roland Hanna　　bass : Ron Carter
drum : Steve Gadd　　trumpet : Chet Baker　　a-sax : Paul Desmond
arranged by Don Sebesky on "Concierto de Aranjuez"
ＳＡＣＤって・・・。
今まで1000回以上は聴いているであろう私の最も好きな「アランフェス協奏曲」ですが、このＳＡＣＤ盤には正直がっかりしました。名演というのは音がよくなれば（いわゆるオーディオ的によい音）良いってもんじゃないんですねぇ。この曲全体を支配していた（はずの）仄暗い雰囲気が消し飛び、太陽の下で演奏しているように感じます。座ってうつむき加減に弾いているはずのジム・ホールはニコニコしながら立って弾いているよう・・。つぶやくようなチェットのＴｐがハリ叫んでいる・・。デスモンドってこんなに肺活量あったっけ？左奥で控えめにシンバルを響かせていたスティーブが真ん中でガチーンガチーンと叩き鳴らしている・・。抑えに抑えたハナのｐも明るい・・・。音数少なく、抑え目のジムに合わせて全員が抑制の効いたプレイを展開しているのがこの曲の真骨頂であると感じていた私には残念でなりません。今後もキング盤を聴き続けます。
スペインの大地が甦る,
　名プロデューサーのクリード・テイラーのＣＴＩレコードの記念碑的名盤の一枚だ。チェット・ベイカー（トランペット）、ロン・カーター（ベース）、ローランド・ハナ（ピアノ）ポール・デスモント（サックス）と超豪華なメンバー。録音は名手ルディー・ヴァン・ゲルダーだから音も素晴らしい。

　盲目のギタリスト、ロドリーゴの表題曲「アランフェズ協奏曲」、マイルスの名盤ほどではないが、上出来。さすがドン・セベスキーの編曲だ。一曲目の「ユール・ビー・ソー・ナイス・カム・ホーム・トゥー」がこのアルバムのベスト。１９７５年録音だが、古臭い感じはまったくない。これぞ名盤。

　くり返し聴いても飽きない一枚だ。クリード・テイラーシリーズは、イージーリスニング風だが、しっかいジャズしている名盤が多い。秋の夜更けに聴くと、スペインの大地が閉じたまぶたの裏に甦る（松本敏之）

チックのデビュー・アルバムは1962年7月にニューヨークで録音されたラテン音楽のバンド、モンゴ・サンタマリアの『GoMonGo!』(Riverside)である。この頃ハービー・ハンコックはドナルド・バードのバンドにいて、土曜日だけモンゴ・サンタマリアのバンドで演奏していた。当時未完成だったハービーのオリジナルをモンゴが取り上げて大ヒットとなる。それが、ハービー初のリーダー・アルバム『Takin'Off』(BlueNote)で演奏している『Watermelon Man』だ。ということで2人は当初モンゴ・サンタマリアでつながったのだ。

そして次がご存知マイルス・ディビスである。その後の二人の活躍は目覚ましく、アコースティックにエレクトリックにまるで違うミュージシャンのような二面性を保持しながら傑作を発表していく。本作はそんな2人のDuel(勝負)でなくDuo(二重奏)なアルバムに仕上がっている。ステレオ的には右がチック、左がハービーになっていて面白い。