JAZZジャズ名盤店

はじめこのアルバムのジャケットを見たときに「生」という漢字が踊っていて、「これはどういう意味があるのだろう？」という疑問を抱きましたが、ライブ会場の雰囲気を飾らずにストレートに伝えることで、あえて「生」っぽい音源を世に送り出そうとしたのでしょうか？　こればかりはアランさん本人に聞いてみないとわかりませんが、偏狭的なファンとしては何でも好意的に受け止めてしますのです。しかし、アランさんのアルバムジャケットのデザインは、どう贔屓目に見てもあまり趣味が良いとは思えません。「ＩＯＵ」みたいなシンプルなものはいいのですが、「Metal Fatigue」「Sand」あたりから、すでに怪しくなってきています。このアルバムも趣味が悪い部類に入ってしまうのですが、これも偏狭的なファンの独り言として聞き流していただけたらと思います。

とは言っても、場が暖まるにつれて、アランさんのエンジンもやっとかかり始め、「Zone �U」あたりから、いつもの世界が目の前に広がります。あえて苦言じみたことばかりを書きましたが、アランさんの90年代のライブ録音は大変貴重なので、廃盤にならないうちにぜひ入手されることをお勧めいたします。くれぐれも言いたいのですが、アランさんの音源にあまり慣れていない方は、スタジオ盤から手をつけることをお勧めいたします。ライブ盤なら「All Night Wrong」ですね。
異次元の演奏
　うーん、なんだこれは、というのが正直な感想。
いや、悪い意味ではなくて、完璧、・・・完璧すぎのトラック群。

　スティーヴ・ハントがアランのシンセパッチを使用しているので、
プド・ウドなんかもセットリストに入れられたんだろうけど、
ライヴ・アルバムというかライヴ演奏にここまでの完成度が本当に
必要なのか、考えさせられるだろう。

　ネティズン（死語か？苦笑）はウェブ上でアランのライヴレビューなんかも
当然見れるというか、見ているはずなんですよ。

　だから何年のあの日は調子が悪かった、とかみんな知っているわけ。
なので演奏が良い日だけを選りすぐったというのも少し、行き過ぎの感
ありですね、正直。
ＡＬＬ　ＮＩＧＨＴ　ＷＲＯＮＧの完成度も異常だけど、やっぱりこのアルバム
も異常。

　アレンジは違うけれど、スタジオ版のトラックを寄せ集めたみたいな
印象。よく言えばスタジオテイクに限りなく近いベスト版的アルバム。
悪く言えばライヴに聴こえない。

　この時期のアランはアンプにメサブギーを使っているので、少し音が
後ろに下がっているように聴こえる。キーボードレスではないので、アラン
の出番は少ない。